「冷夏……」


「なぁに?」


「ごめんな……」



俺の言葉に冷夏は微笑み返した。



「翔クン、飲みすぎ!!」


「だって俺、ヤキモチ屋サンなんだもん!!」



「そんなの知ってるっ!!」


そう笑いながら言う冷夏を、この場でおもいっきり抱きしめたくなった。



「1つお願いがあるんだけど……」


「んっ?なに??」




『ちゅ~して☆』




そう耳元で話した瞬間に回りに聞こえるはずがないのに冷夏はキョロキョロし始めた。



「翔クンのバカっ!!」


「してよっ!!」



真っ赤な顔をしている冷夏の頭を撫でた。



幸せだった……



冷夏が隣に居てくれるだけで。



すごく、落ち着くんだ……。


これで何度目だろう、



“時間を止めて下さい…”



そう、心の中で何度も何度も叶わぬ願いを念じていたのは……。



『好きだよ……』


『冷夏もっ!!』



そう耳元で言った、冷夏の言葉がずっと俺の耳に残っていた。