「ごめんね……」



そう呟く冷夏に俺は何も言う事が出来なかった。



冷夏に謝らせてる俺はなんて情けないのであろう。



自分で勝手に来て、勝手に嫉妬して、



それでも冷夏は俺を責める事はなかった。



「冷めたろ?」



こんなにもかっこ悪い男が冷夏の男だなんて分かったら、



みんなに馬鹿にされるだろう。



回りを見渡しながらも、だんだん自分の小ささにため息だけが出た。




「冷めるわけないじゃん!!」



こんな俺を好きでいてくれる冷夏の事すら、



もう分からなかった。




「翔クン?」



「なに??」



「見てっ♪」




自分の足を俺の足とくっつけた。



「同じっ!!」



冷夏がくれたミサンガと冷夏のミサンガが並んだ。



忘れてたよ……。



何時間前に冷夏に貰った喜びさえ……



「ぶっ!!ドレスには合わねぇ~なぁ~」



そう、冷夏と俺の証さえ、ここにある事さえ忘れていた。



「そう?関係ないっ!!」



そう言う冷夏を見ながら、涙が出そうになった。