「翔クン……」


不安そうに俺を見つめる冷夏はボー然とその場に立っていた。



「座れば?」



待ち構えていたのに…


不安で屈辱的でどうしようもなかったのに……



俺が冷夏に発した言葉は冷ややかすぎた。



「なんでそんなに飲んだの……」



今にも消えそうな冷夏の声……。


こんなにも悲しい顔をさせてるのは間違いなく俺なのであろう。



「随分楽しそうじゃん…」


その言葉に冷夏は下を向いた。


「冷夏チャンだよね…?俺、中西」



「あっ、はじめまして」




「ごめんな…急でびっくりしちゃったよね?コイツが行きたがって」




「大丈夫です」




中西が一生懸命、冷夏にホローを入れてる横で…




俺はじっと冷夏の事を見つめていた。




きっと……




俺には手の届く人ではないのかもしれない。




さっきまで隣にいたハズの冷夏は、


幻なのかと思わせるくらいにさせてしまうこの空間を


やっぱり俺は好きになれなかった。