冷夏が他の男と楽しそうに話してる姿を見ながら飲む酒は、


吐き気がするほどまずくて

酒に弱い俺をとことん酔い潰れさせた。



「さと!!もう飲むな!!」


「ほっとけって…わりぃ〜けど作ってくれる?」



すぐに空になるグラスを女の子に突き付けた。



なぁ?



かっこ悪いだろ……。




お前が好きになってくれた俺はこんなにもみっともねぇーんだ。



「マヂ、やってらんねぇ…」



新しく作られた酒をまた一気飲みしテーブルに置いた。



「お前、いい加減にしろよ!!」



中西の鋭い視線も今の俺にはわけわからなく、



冷夏の姿さえぼやけていた。




消えてしまいたい……



俺なんかより、
冷夏の隣にいる客のがよっぽどかっこいい。





冷夏を信じていたい……



それでも好きな気持ちが大きすぎて何も見えなくなる。



どうしようもねぇ男だ……




「お待たせ致しました。冷夏サンです」




テーブルに伏せていた俺は、ボーイの声に目を開けた。




俺の視線の先に、



俺の足にも付いているミサンガが目に入った。




その足元で冷夏だと気付き顔を上げると、




とても悲しそうな顔をした冷夏が俺を見つめていた。