がさっ 「あ、」 「…えっ」 誰にも見付からない、はずだったのに。 「………きりのくん」 なんで、なんで。 「…ちかもここにかくれてるの」 「……ここ、わたしのとっておきのばしょなの」 「おれも」 続く言葉が見付からなくて、思わず俯いた。 やだ、わたしの場所なのに。 でもそんなこと言えない。 きゅっとスカートの裾を掴んで、狭い心に蓋をした。