「…ちかは、やっぱり泣き虫だな」 にへらと笑う―――蓮崎くんがいた。 違う、蓮崎くんだけど、違う。 なんで気付かなかったんだろう。 似てるなあ、なんて呑気なことを考えていた自分を殴ってやりたい。 「きりのくん……」 幼い彼と、目の前にいる彼が、時間を越えて結び付く。 綺麗な双眸。 流れる黒髪。 端整な顔立ち。 全部、全部、初めから、きりのくんだった。