蓮崎くんに申し訳ない気持ちでいっぱいになっていると麻美が立ち上がった。
「それじゃあそろそろ時間だから出れるひとから出てー!」
「二次会どこ行くー!?」
「カラオケ希望!」
「ごちそうさまでしたー」
「はー楽しかったね!」
「麻美ありがとう!」
皆が口々に話しながらぞろぞろとお店の外に出た。
夜になっても変わらず生温い風が肌に纏わり付いて気持ち悪い。
でも、対照的に心はなんだか晴れやかだった。
隣で暑いな、と嫌そうな顔をする蓮崎くんが眩しく見えて、自分の目を疑った。
……わたしってば、現金なやつめ。
まんまとお母さんが言っていた通りになっている気がしてちょっと悔しい。
でもこの再会をこのままなかったことにはしたくなかった。