「蓮崎くんって結構飲むんだね」

「……真堂さんもペース早いと思うけどな」


蓮崎くんがわたしの周りにある空のグラスを指して小さく笑った。

マイナスイオンが出ててもおかしくない爽やかな笑顔。

つられてわたしも自然と口角が上がっていた。

なんだろう、この気持ち。

甘酸っぱくて優しくて、穏やかな気分になれる。


「(………今日、来て良かったな)」


お酒の力も借りていつもより饒舌になっていたのか、大学の話や音楽の趣味のことで盛り上がった。

蓮崎くんは難関大学の法学部生らしい。

それも推薦で入った上に奨学生だと聞いてさらに驚いた。

頭良さそうなオーラ出てるもんね、と言うとなんだよそれ、と砕けた笑いが返ってくる。