次第に誰も話さなくなった。 油断すれば、本当に落ちてしまうだろう。 先生達も、いつもにもまして、厳しいように思えた。 お陰で僕は、本当に、ただ登ることだけを考えていればよかった。 いつ以来だろう。 他者に惑わされることなく、自分の欲求に対して素直に没頭できたのは。 僕は、この修学旅行に来られて、本当によかったと考えていた。