「ムカツクんだよ!」 「な、何が?」 予想通りの言葉に、思わず笑いそうになる。 僕は笑いを堪えながら、坂木の言葉を待つ。 「何がじゃねえよ!」 じゃあ、何だよ。 早く言えよ。 暴力を振るいたいんだろ。 振るってくれるんだろ。 「じゃあ、どこが?」 坂木の顔が、一瞬怯む。 それほど難しい質問ではないと思ったが、彼には難解だったらしい。 だが、いい。 言葉に窮すればいい。 そして、次の手を使え。