目を逸らさなければならないほどの恐怖を感じながら、僕はその顔をどこかで見たことがあるような気がしていた。 しかも、つい最近だ。 いや……今日か? 「ほら、2人とも待ってるよ」 階段を数段上がり、そう言いながら振り向いた合瀬の顔はもう元に戻っていた。 いつもの無邪気な笑顔。 屈託の無い笑顔。 あの笑顔の裏に、何が潜んでいるのだろうか。