「よいしょっと」 合瀬がジュースを持って、僕の座るベンチまで来る。 僕はいざという時のために立ち上がる。 敵の前で座ってはダメだ。 上からの攻撃の方が強い。 この状態で、鼻に肘でも喰らえば、ひとたまりもない。 「何もしないから、座れよ」 合瀬は紙コップに口をつけながら、そう言った。 やはり、これも見透かされている。 僕は素直に従う。