教室に戻り、ノートを広げる。

そして、記号その1を黒く塗りつぶした。

しばらくは観察が必要だとは思うが、元々気の弱い高畑は、これでいいだろう。

記号はあと四つ。

あと四つで僕の生活は元に戻る。



放課後になる。

僕は坂木たちを避けるため、教室が空くまで学校の近くの公園にいた。

大きなクスの木の根元に座り、そこから上を見上げると、キラキラと光る木漏れ日が心地よかった。