ふわっと、体が包み込まれた。



男の人の浴衣の腕に、要は抱き上げられていた。



「かなめっ」





自分を見上げるその笑顔が、とても可愛く見えた。



爽やかな香りと、じんわり伝わる腕の温かさ。



見ず知らずの他人だけど、恐いともおかしいとも思わなかった。