こんな事するくらいなんだから、寝てる間に何されるか分からない。

そういう意味で言ったのが分かったみたいで、二楷堂が笑う。
……意地悪く。

「俺を頼るって事は、信用するって事なんだけど……。
認識が違ったなら、もう一度約束しなおそうか?」

脅しみたいな言葉に、ふるふると首を振る。
まるで悪魔だ。

「ちゃんと、信用するし、頼るから」

何かされないか怯えながら言うと、二楷堂が優しく微笑む。

「クラクラするのは、香にあてられたからだよ。
少し休めば治るから。
それより、身体の火照りは大丈夫? まだ物足りないなら喜んで協力するけど」
「い、いらないっ! それに、これは、二楷堂が無理やり……っ」

そう言い返そうとして……途中で止めた。

香……?
って、二楷堂の香にあてられたって事……?