「亜姫。ひとつだけ約束して。ツラくなったら、俺を頼るって」
「……それは強制?」
「どうかな。ただ約束してくれないならこのまま続ける」
「強制じゃない。……分かった。約束するから」
至近距離から優しく見つめられて、どうしていいのか分からなくなる。
二楷堂とずっとこの距離でいるのは危険だと脳が拒否反応を示していた。
溶けきる寸前だって。
「早くして」
思考回路に、この先ずっと支障をきたすような傷を作る前に早く。
そういう意味で言った私に二楷堂は微笑んで。
「仰せのままに」そう呟いて唇を合わせた。
続けられるキスに必死で応えてるうちに、いつもみたいな感覚に陥った。
精気が身体を巡る感覚に。
でも……いつもよりも強い。
ドキドキしすぎて疲れた身体に、どんどん二楷堂の気が入ってくる。
いつもとは比べられないくらい、たくさん。