「だから、亜姫が素直にならないならこのまま続けるよ」
「私は別に……弱ってなんかいないって最初から言ってるでしょ」
「素直にならないなら続けるって言ってるのに、反抗するって事は、俺にこのまま続けて欲しいって、亜姫も思ってくれてるって意味でとるけどいい?」

いいわけがない。
それを分かってて、二楷堂は私の言葉を誘導してる。

本当にズルい男だ。
そこまでして私に精気を奪われたいなんて、もしかしたら本当にMなのかもしれない。

「ほら、亜姫。して欲しい事があるなら、ちゃんと言わないと」

意地悪な笑みに追い詰められる。
二楷堂は片手で私の顎を持ち上げて、ぎりぎりまで唇を寄せていた。

「……キス、して」

羞恥に駆られながらもなんとか言葉にすると、二楷堂はふっと困り顔で微笑む。

「本当は血を欲しがってほしかったんだけど……まぁ、いっか」

そう言った二楷堂が、私に近づく。