本当なら、私をこんな風にする二楷堂を憎めばいいのに……なぜか、そんな気になれなくて。
告白してきたあの日からずっと、拒めきれいなくて。
その理由が未だに分からない。
私を封じ込めるほどの力を持ってる理由も。
整いきった外見と、魅惑的な雰囲気の理由も。
私を追い回して、血まで差し出す理由も。
何も、分からない――。
「二楷堂、は、ホントに私が……好き、なの?」
耳を襲う甘い刺激に耐えながら何とか言葉にすると、二楷堂は耳元でふっと笑った。
そして。
「好きだよ。
亜姫だけが……ずっと好きで仕方なかった。
ずっと、俺のモノにしたくて堪らなかった……」
「ずっとって……」
そういえば、告白してきた時もずっと見てたとか言っていたけど、一体いつからだろう。
聞き返そうとしたけれど、二楷堂が話し出す方が先だった。