そんなところまで見られてたなんて思ってなかった。
そんな風に思ってくれてたなんて、想像もしてなかった。
ただ、一目惚れとかそんな気持ちで追い回してくるだけだって、そう思ってたのに――。
喜んでる場合じゃないのは分かってる。
ヴァンパイアだってバレてるなら、一大事だ。
けど……ちょっとだけ嬉しくて。
それを隠したいあまり、照れ隠しみたいな返事になる。
そんな私を見て、二楷堂はまた笑った。
「俺は、亜姫が好きだから傍にいたい。
それは、亜姫がヴァンパイアだろうがなんだろうが関係ないよ」
「でも……」
「俺は、亜姫にだったら何をされてもいいよ。
襲われても、血を抜かれても。
前にも言ったけど、覚えてない?」