「そんな事、私の事をちゃんと分かってないから言えるだけ。
さっきの子……美音との会話を聞いていたなら分かるでしょ。
親しくなればなるほど、噛み付かれる可能性が高いって」
「聞いてたけど、俺にはよく分からなかった。
まぁ、理解するつもりもないけどね」
「なんでそんなノンキなの?! 自分が襲われるかもしれないって話してるのに!」

思わず声を荒げて、睨む。
そんな私を見て、二楷堂はなんでか嬉しそうに笑った。

「なに笑ってるの?! 私は真剣に……っ」
「ごめん。違うんだ。
亜姫がこんな風に真正面から目を見て話してくれるのが初めてだったから、嬉しくてつい」
「……は?」
「今まで、いつも気持ちを隠してたから、ずっと気になってたんだ。
どうすれば亜姫は本心を見せてくれるだろうって」
「そんなの……答えになってない……」