王家の血を継ぐヴァンパイアは、他のヴァンパイアと比べ物にならないくらいの香を放つ。
それは、近づくだけで人間どころか、ヴァンパイアまで酔わせるほどのモノらしい。

私はまだ一度も王家のヴァンパイアに会った事がないから分からないけど。

私の、ひぃおばあちゃんが王家のヴァンパイアと結婚したってだけの私にも、その血は受け継がれてる。
確立にすれば10%くらいしか流れていないのに、美音は近づくだけでそれを感じるらしい。

それだけ、王家の血がすさまじいって事なのかもしれない。

「今回はこれで帰るわ。
次に会う時には、亜姫ちゃんに恋人ができてるといいんだけど。
もちろん、私の目に適う相手じゃなきゃ許さないけど」
「私を見張ってればいいだけなのに、恋愛の心配までして大変な仕事ね」
「後半部分は私の個人的感情よ。
言ったでしょ。亜姫ちゃんの事、気に入ってるって」

「じゃあね」そう残して、美音が姿を消す。

それから、深いため息をついた。