「お母さんが、本当にあんな事したのかは分からないけど……。
なんにしても問題児の私をどうにかしたいんだよ」
お母さんの事がなかったとしても、血を好んで吸おうとしない私は、どっちみちヴァンパイア界の中では問題児だ。
今は理性だとか自己規制が働いてるからなんともないけど、このまま我慢し続けたら、血に飢えて狂うって事は安易に予想がつく。
適当に歩いてるうちに、校舎同士を繋ぐ渡り廊下の下に出た。
渡り廊下は2階と3階にだけあるから、1階部分は高架下みたいになっている。
スペースが空いてるのをいい事に、ダンボールやら使わなくなった教材やらが積み上げられてて、高架下というよりは大きな物置状態って言った方が正しいかもしれない。
中庭からは少し距離があるから、生徒の声も遠くにしか聞こえなかった。
太陽の光から隠れるみたいにそこに入って、ひんやりと冷えているコンクリートの壁に背中をつけた。