母親が亡くなった後、私は母方の祖父母の家で育てられた。
小学校でいじめられてた時には学校にまで乗り込んできて、いじめっこをお説教したり。
参観日におばあちゃんたちへの感謝の作文を読めば、後ろで泣き出したり。
おばあちゃんもおじいちゃんも、ヴァンパイアだとは思えないくらい、感情の豊かな人だった。
あまりよく覚えていないけど、確かお母さんも。
よく笑って、よく怒って。たまに泣いて。
自分の気持ちに正直だった。
だけど、私の父親に対しては一度も口しなかった。
私の父親が誰なのかは、おばあちゃんも知らないらしい。
昼休みの中庭は人が多い。
晴れてるから余計に。
会話の内容をあまり聞かれたくなくて、ぶらぶら歩きながらおばあちゃんの話を聞く。