「は……ぁ…っ」

ふわふわして身体が熱くなるような、そんなキス。

でも、不思議だ。
二楷堂とのキスは、やっぱり、満たされた気分になる……。

カクンって膝から崩れそうになった私を、二楷堂の足が止める。
二楷堂の膝にまたがって乗っかってるみたいな、そんな体勢。

恥ずかしくなってちゃんと立ったけど、二楷堂はクスって笑いながら私を覗きこむ。

「……やめて。こんなの恥ずかしい……っ」
「ダメだよ。ちゃんと亜姫が答えてくれるまでは解放してあげない」
「答えって……」

二楷堂がわざと耳元で言うから、ぞくぞくした感覚が背中を走る。
二楷堂の甘い声が、思考回路を奪っていくみたいだ。

「ぁ、や……っ、」
「うん。じゃあちゃんと言って? 亜姫」

背中に触れた手が、だんだんと下に下がっていく。
それに反応して身体をよじると、二楷堂がそれを止めるようにもう片方の手で私の身体を強く抱き寄せる。
押さえつけるみたいに。