「んぅ……ふ…っ」
昨日の優しいキスとは、違うキスだった。
少し強引に入り込んできた舌が、咥内を撫でて私の舌と重なる。
荒々しくも感じるキスに片手をシンクにつくと、それに気付いた二楷堂が、私の足の間に自分の足を割り込ませた。
「や…っ…に、かいど……っ」
抵抗したいのに……完全に酔ってる。
キスにっていうよりも、二楷堂の存在に。
頭がぼんやりしてきて、また昨日みたいに意識が飛びそうになった瞬間。
二楷堂がキスをやめた。
そして、私の顔を覗き込んで言う。
「今日はまだダメだよ」
「え……?」
「誰とキスしてるんだか知らないけど、俺とそいつ、どっちとのキスがいいか決めてもらわないと」
「どっちって……っ」
優しく微笑みながら言った二楷堂が、再びキスをする。
今度のキスは、昨日みたいに優しくて……巧みだった。