まるで発作だ。

昨日どころか、さっきまであんなに満たされていたハズ。
なのに、なんでこんなに苦しくなるんだろう……。
欲しくなるんだろう。

身体がおかしい。
ちゃんと考えてみれば、やっぱりどう考えたってキスで吸血衝動が抑えられるわけないし、やっぱり最初から体調がおかしかったのかも……。

呼吸を整えながら、そんな事を思っていた時。
二楷堂の手が、顔に触れた。

少し強引に顎を持ち上げられて、目が合う。
二楷堂との距離は、ほんのわずかだった。

「いいよ。キズつけて。亜姫にキズつけられるなら大歓迎」
「……バカな事言ってないで」
「バカな事でも冗談でもない。俺は、亜姫にだったら何されても嬉しく思えるから。
――例え、この身体に流れる血すべてを吸いつくされたとしてもね」

耳を疑った次の瞬間には、唇が塞がれてた。