不思議に思って見ていると、美音がすぐに答える。

「何度も言ってるじゃない。亜姫ちゃんが好きだって。
いつ亜姫ちゃんを始末するかも分からないハンターの傍になんて亜姫ちゃんを置いておけないわ。
ついでに言えば、協会の亜姫ちゃんへの雑な扱いも許せなかった。
亜姫ちゃんは、協会関係者が侮辱できるような位の低いヴァンパイアなんかじゃないのに」
「……私には、なんで美音が私をそこまで買い被るかが分からないけど。
王家の血を引いてるって言ってもほんの少しだし、位だってそこまで高いわけじゃない事、知ってるでしょ?」

確認するように言った私の頬に、美音が触れる。
そして微笑みながら口を開いた。

「私はね、小さい頃からずっとフラフラ流されながら生きてきたの。
その場に応じてうまく演じて。その方が楽だったし、きっと性にも合ってたのね。
だけど、初めて亜姫ちゃんがうちにきた時、私とは真逆のものを感じて衝撃を受けたの。
どんな状況に置かれても貫く気持ちを持ってる亜姫ちゃんを見て、言葉では言い表せないほど憧れたわ」