美音から出た言葉に、一瞬声を失った。
ヴァンパイアだって気づかれたらまずいとは思っていたけど、ハンターだと疑われてるなんて思いもしなかったから、何も言葉が出なかった。

「ずっと怪しいと思ってたの。亜姫ちゃんがやけに隠すし。
私の事も気づいてるっぽかったしね」

気付いてたでしょ?と聞かれても答えずにいると、まぁいいわと美音が続ける。

「昨日も、ハンターが持ってる対ヴァンパイア用の薬とかであの狂った男を押さえつけたんでしょ?
打たれると、吸血衝動は掻き立てられるのに身体は動かなくなってそのジレンマでもがき続けて最後命を落とすとかいう、例の薬で」
「……そんな薬があるの?」

初めて聞いた話に眉をしかめると、美音は意外そうな顔で私を見た。

「見てなかったの? ああ、でも亜姫ちゃんは亜姫ちゃんで苦しそうにしてたものね。
あれって襲われて驚いたから?」
「まぁ……そんなところ」