にって笑う二楷堂。
けど、背中がゾクって震えるほどの威圧感を感じた。
……絶対に、意識的に出してるんだと思うけど。
今までだって多分そうだ。
二楷堂はいつも自分の持ってる力をこっそり使ってたに決まってる。
キスする時とか、今日の大学での時とか。
私は無意識にそれに従うしかなくて……結局、二楷堂の思い通りってわけだ。
「そうやって気を出したりするのって、ズルいと思う」
「そう? 自分の能力をどう使おうと自由だと思ってた」
「けど……っ、そのせいで、私は……。
その、色々惑わされるし、困るの」
二楷堂が、一歩ずつ私に近づく。
私が言ってる意味が分かったみたいで、その顔は、微笑みを浮かべてた。