声のした方を振り返ったさきには黒いスーツを着た長身の男性が立っていた。




誰?





切れ長の目にくの字に結ばれた薄い唇、短く切られた黒髪は後ろに流されていて、…




芸能人みたいに格好良いイケメンさんだ…





「迎えに着た。一緒に来い。」





私を呼んだのはこの人よね?
ここには私達以外いないのだから、そうなんだろうけど…


今聞いた声は、さっき私の名前を呼んだ優しい声とは違った淡々とした口調で、余計に冷たさを感じた…





それより迎えってどういうこと?




この人お母さんとお父さんの知り合いの人?なら二人の居場所も知ってるかも!!



私は立ち上がりその人に駆け寄った。




「迎えって…両親は、私の両親はどこにいるんですか!?」




「…お二人は外国にいる。」




「外国!?
二人とも無事なんですか!?」




「あぁ。」