登録の番号にかけたはずなのに…




私、どこか変なキー押しちゃった？




発信履歴を確認したけれど、そこに映し出されているのは母の番号だった。



そしてもう一度かけ直しても返事は一緒だった。




「ごめん律子、映画また今度でもいいかな？」




「そんなのいつだっていいけど、どうかした？」




「うん、電話に出ないだけなんだけど…ちょっと心配で…」




皆に余計な心配をかけたくなくて詳しいことはあえて口にしなかった。




「なら、うちの車で送ってくよ？」




「律子、ありがとう。
だけど大丈夫。家に返る前に会社の方によってみるからさ。」