「…ハァ」
オレは先程の『コイツ』のため息を真似てみる。そして告げる。
「………こーいうことだよ」
「!」
オレは、今日『コイツ』に会ったときからずっと握りしめていたものを『ソイツ』にむける。
自分に向けられたものを見て、『ソイツ』は酷く驚いた顔をした。
「お前…!?」
先程の余裕は、もう『コイツ』には残っていないようだ。
オレは、ゆっくりと、告げる。
「壊した代償は、とれよ…?」
オレは、一回しか握ったことのないそれに力を込める。
大丈夫。 できるはずだ。
「ハハッ…、冗談よせよ……?」
「本気だよ」
これで全て終わる。
「…………じゃあな」
最後の。
お別れの挨拶をして。
朝日に照らされていく世界の中で。
オレは、引き金を引いた。
平凡とは、なんなのだろうか。
例えば、今ここに宇宙人が現れたとかなら、平凡ではないと言えるだろう。
でも、もしこの世界が、宇宙人が普通にいる世界であれば…………
それは、もちろん平凡になるし。
平凡とは、何を基準に平凡というのか。
……こんなバカな事を真面目に考えている今日この頃。
まあ、要は。
俺は、今住んでるこの世界に刺激が足りないのである。