だからポトリと火の玉が落ちる瞬間は、何とも物悲しい。


「あ!落ちちゃった!」


楽しい時間はあっという間で、何本かやってると、線香花火も残り2本に。


「なぁ吹雪、勝負しねぇ?」


「勝負?」


残った2本を眺めていると、統牙がいきなりこんな事を言って来た。


勝負って……何するんだろう?


「線香花火、どちらが長く保てるか勝負しようぜ。どうだ?やるか?」


統牙は勝つ自信があるのか、ニヤニヤとこちらを見ている。


その顔に、今度は私の勝負魂に火が点いた。


顔も頭も家柄も、統牙に何にも勝てない私。