「はぁはぁ…

あ、部長今日は早いんですね。」


部長の三枝千歳先輩。すごい明るくて部員みんなと仲がいいんだ。

いつもは部活が始まる少し前に来るのに今日は一番だった部長。


「真希ちゃんに早く会いたくて!」

こんな冗談もサラッと言えちゃうのがすごい。



「ほんとは?」

「お腹が空いたから。」
「少食な部長に限ってはありえません。」

「あは、さすが真希ちゃん。
色々あったもんでね。」


目線があたしの靴もとだった。
あまり良いことがあった訳じゃないみたいだからこれ以上は聞かないようにする。



タイミングが良いことに他の部員も入ってきた。

「はいはい!今日はメロンパン作るよ!準備して。」


「「はいっ」」

生ぬるい空気を換気したかのように場を変えた部長。




――料理をしてたら青柳藍のことなんて忘れていた。