あの後、腕を掴む力が弱ったからすぐに腕を抜いて走り去った。
告白は何回かされたことはあったけど、同じように振ってきた。
みんな諦めてくれた。
なのに、青柳は青柳 藍は諦めてくれなかった。
嫌なはずなのに、ドキドキしてる。
チャラいと思って人にいきなり真剣な顔して動揺しちゃった。
授業もろくに聞いてなくて、上の空。
こんなに意識するなんてバカみたい。
あたしって、意外とミーハーだったのかなぁ。
相談したいけど唯一相談できる夏菜もいない。
どうしよう…
そんなこと考えてるうちに放課後になった。
あたしは料理部に入っているから、今日は部活。
荷物を持って家庭科室に向かおうとすると、やっぱり
『キャーーー!藍くーん!』
って、朝まで煩くて避けていくのに今はチラッと群れの中心を見てしまう。
すると、
「相原 真希!一緒に帰るぞ!」
と目があい声をかけられた。
その途端、ギロッと女子があたしのことを睨む。
鬼の角が生えた女子が怖くて一目散に家庭科室に向かった。