連れてこられたのは二年間いて初めて来た場所だった。

人もあたし達二人しかいない。



裏庭なのか低い木が立ち並ぶ草原になっていた。

しかし、今は初夏。少し日が当たるから暑い。


体に風が通るよう襟元をパタパタしてると、


「暑いのか?じゃあこっち来い。」

なんて心配してくれて、木の影になるところに移動させてくれた。


「とりあえず、飯食うぞ。」


売店で買ったと思われるカレーパンを取りだした青柳。


あたしもお弁当を開け手作りの玉子焼きを食べようとした。


でも、もし青柳が食べ始めてなかったらなんて考え青柳の方をチラッと見ると


「っつ!」


カレーが口の端に付いていた。

びっくりして思わず箸から玉子焼きがポトリと落ちてしまった。



「おい、何落としてんだよ。」

と青柳に言われはっとした。


「あー、もう食べれないか。」


草の上に落ちた玉子焼きを見てショック。