「お前っ、リーク、ふざけんなよっ!今日一日で俺がどんだけ殴られたと思うよ、ええ?」


「それだけお前が愚かだということだ。僕に反抗した罰でもある」


「があーッ、ったく!いい御身分だよなあっ王子ってのはよう!……俺だって、好きで奴隷になったんじゃねえよ」


「トルガ、落ち着け。誰もお前が“奴隷だから”こうしているワケではない。

というか、お前以外に僕は自分を見せない。お前にしか、僕は感情をぶつけない」


「感情っていうかもっぱら暴言・暴力の連続ですが?」


「主人の愛だ」

「ヤな愛だな」



ゲンナリした態度をとるトルガと、嬉々とした表情のリーク。


二人は今、村長の家に招かれているのだが、村人も村長も誰一人いないこの部屋にて。

身分を隠さず二人きりで会話をしていた。