さて、一行は村の奥に案内された。
そこには他の家より少し大きいだけの家があり、その前には杖をついた老人が立っていた。
「村長っ!」
「そんちょうううっ?」
「うるさいぞ、見て分かるだろう」
「いやいやいやっ、ふつうわっかんねえってリー……ごほん、主人っ!」
あぶねえあぶねえ、思わず本名呼ぶとこだった。額の汗を拭うトルガと冷ややかな目で見つめるリーク。
二人は相変わらず注目を集める体質のようで。
途端、村長と呼ばれた老人が「おお、」と声をあげ、杖をつきながら二人に近づいてきた。
二人の周りを囲っていた村人たちが、道をつくるようにザッと離れる。