「ははっ、まあなんにせよ、お前らは今日から同盟国であるアンドレシアに向かうんだろう?
気をつけてな。いってらっしゃい」
「………。」
嗚呼どうして。
この人はこんな眩しい笑顔を向けるんだ。こんな温かい言葉を吐くんだ。
あなたがそんな人だから、僕は……
「……あなたも精々頑張ってくださいよ。僕の仕事の分まで、ね。
いってきます、……お兄さま」
「! お、おまっ、今【お兄さま】って呼ん……ゴフッ」
感動して抱きつこうとしたロアロの脇腹を蹴って回避するリーク。
ほら、すぐ僕を『弟』として見てくる。
僕は一人の『男』として認めてもらいたい。
あなたのライバルだと、認めてもらいたい……
「あ、相変わらずナイスキックだぜ弟よ……」
「あなたの弟なんて虫酸が走ります」
「そこまで?!」
こんなヘラリとした男に負けたくない。"あいつ"は僕のものだ。
だけどどうしてあなたは……