「しまっ……?!」

[喰ロウテヤル!]



ぐらつく体に慌てるトルガ。

くそっ、と呟きながらも右手には冷たい小瓶の感触が。



「っ、これでも喰らいやがれッ!」



ぶんっ、風を切る音とともに瓶が黒獅子の顔に直撃する。

ジュワアアアッという音が聞こえ白煙がもくもくとあがる。


よっしゃ、倒せた!

そう思いガッツポーズをするトルガ。


しかし、



[フン、コノ程度デ我ガ倒セルト思ウタカ。甘イ、甘イゾ人間ガアアアッ!!]


「なっ……?!」



煙の中から凛と佇む黒獅子の姿。


トルガは目を見開き固まってしまう。



「嘘だろ……」

[奴隷ノ娘ヨ、モウ終ワリカ?]



挑発的な黒獅子。
その言葉にトルガはにやりと笑った。