[ナア、幼キ奴隷ヨ。貴様ハ人間ガ憎クハナイカ? 同ジ人間ナノニ、疎ンデクル人間共ガ。

殺シタクナイカ?]



酷く物騒な言葉を甘い誘惑として囁く黒獅子。それはさながら、飴のようで。



[我等ト共ニ、コノ下等種族共ヲ殺シ、苦シメ、戒メテハミヌカ?]



奴隷なんぞより、同等であるはずの民共が醜く思わぬか。


そう誘惑する黒獅子に、トルガは表情を失う。



「俺が、あいつらを……俺を邪険にしてきた奴等を、殺す?」


[アア、ソウダ]



にんまり笑う黒獅子。






[哀レナ下等種族共ニ、死の鉄槌ヲ]






ほんとに馬鹿な奴。