「ええーと、日保ちする食料は、なになに?………ダクムにトレサにレーカオ……ってこれほんとに食いもんかよっ?!」



市場の食料売り場にて。

城ではリークから雑務しか押しつけられたことがないため、トルガはこういった買い物をしたことがない。


それ故、食べ物の名前もちんぷんかんぷんなのだ。奴隷にとっては与えられる飯はありがたく頂くが、名前なんざどうでもいい。


食えりゃいいのさ


トルガという奴隷は、そういう奴だ。



「あーもう、こんなことならこういう知識も頭に入れときゃよかったよ……」



頭をガシガシと掻くトルガは買い物リスト片手に市場をぶらぶら宛もなく歩く。


ふと、そんなトルガに声をかける勇者が(おいどういう意味だテメェ。by.トルガ)