「それは町人や城の者たちの意見だ。まったく、僕の奴隷を役立たずの屑呼ばわりする連中には呆れたよ。

僕には、トルガが必要だというのに。
他の奴隷なんかより、お前が一番だ」


「リーク……」



くしゃりとトルガの頭を撫でるリーク。トルガは反射的に見上げ、リークの顔を見つめる。



「……ありが、「まあ無論、お前がイジり甲斐のあるとんでも阿呆な奴だから、という意味だがな」


「おまっ、今の感動返しやがれっ!」



顔を真っ赤にするトルガはなんとか反抗しようと腕を伸ばすが、リークに頭を押さえつけられているため届かない。


無念で無様。


無い無いだらけのトルガは「もういい!」と言って買い物リストを手にし、市場へと向かっていったのだった。