やれやれとわざとらしく肩を竦(すく)めるリークにトルガは訳が分からないとガン飛ばす。



「僕たちは今追われている身だ。この状態でまた二人、逃走劇を行うつもりか?僕よりお前の方が逃げ足も速いし悪知恵も働く。

ならお前一人で行動する方が効率がいいと思わないか?」


「お前ところどころ毒吐くのやめてくんね?」


「ん?毒だと?………ああ、馬鹿で阿呆な役立たずのくせして悪知恵というオプションがあるという点か」


「なんか更に酷くなってねえ?!」



にやり笑うリーク。
それに対しトルガはゲンナリしている。



「つうか役立たずだって思ってんなら俺じゃなくて城の遣(つか)いにやらせりゃいいだろ……」



ぶすくれるトルガ。

その様子にリークは「おや、」とトルガに近づいた。