「日向子ちゃんはお買い物?」


首をちょこんとかしげるその仕草も美里ちゃんがやるとすごく可愛くて。

チワワみたいなうるうるした目に見つめられるとなんだかそらしたくなっちゃう。


なぜか直視できない。



「うん。でももうそろそろ帰るかな」


「私もひとりなの。……よかったら一緒に帰らない?」



頷けば美里ちゃんは少し微笑んだ。


運転免許を持っていないわたしの移動手段は電車やバス、自転車、徒歩しかない。

車を運転できれば簡単にどこにでも行けちゃうんだろうけど……免許を取ろうとは思わない。


まぁ、そのうちね。うん。


お姉ちゃんは取れ取れってうるさいんだけどさ。
運転なんてわたしにできるわけがない。ていうか、したくもない!




「日向子ちゃん?」


「あ、ごめん! なに?」



つい自分の世界に入ってしまっていた。