まさか眠くなってきちゃった感じですか、大上くん。


家まであと少しなんだから頑張って!



「ほら、早く歩こ。眠いんでしょ?」



一歩先を歩いて大上くんへと少しだけ顔を向ける。

どこかぼんやりと前を見つめたまま歩く彼の耳にわたしの声は届いてるのか。


ま、いっか。


前に顔を戻そうとしたそのとき……、



「おい」


「っ、へ……なに!?」



いきなり腕を掴まれたものだからびっくりして変な声をあげてしまった。


大上くんが足を止めたから自然とわたしもその場に立ち止まった。



やばい。……やばい。

こんなに胸がドキドキしてるのは久しぶりではないでしょうか。