なにも買うものがないわたしは雑誌を見ながら大上くんの買い物が終わるのを待つことにした。
店内に流れる音楽はゆったりとしたクラシック。
店員さんは勤務中に眠くなったりしないのかなぁ……
コンビニバイトって時給いいのかしら?
深夜のこの時間帯ってあまりお客さん来ないから楽なのかな?
「おい、行くぞ」
いろいろ考えている内にどうやら大上くんは買い物を済ませたようで。
持っていた雑誌を戻し、コンビニを出た。
来た道を戻っているだけなのに
同じ道を歩いてるはずなのに、行きとは全く違うふうに見えた。
同じ景色のはずなのに。
ゆっくり歩いてるせい?
「……なんか、歩くスピード遅くない?」
「んー……」
「大上くんなに買ったの?」
「んー……」