「鍵はどうするの?」

「家の鍵ってたぶんコレだろ?」



靴を履いているその背中に小さく声をかける。

半分だけ顔をこちらに向けそう言った大上くんの手にあったのは鍵らしきもの。


テーブルの上にでも置いてあったのだろうか。


西山くんも鍵はちゃんとした場所に置いとかないとだよ……



「日向子なに食べんの」


「んー、いらないかなぁ。お腹空いてないし」



やっぱり夜の空気はひんやりとしていた。

街灯もあって、月も出ていたから予想していたのよりは明るかったので少し安心。


車も全く通っていない。

みんなが寝静まっているこの時間に自分が出歩いているのはとても不思議な感じがした。



歩くこと十分ぐらい。

迷うことなくコンビニに到着。