クローゼットの中からどんどん毛布を引っ張り出す西山くん。
そのひとつひとつを抱え、階段を下りようとしたそのとき、
「――……っ、」
肩に手を置かれたので振り返れば西山くんが一気に距離を縮めてきたので避ける暇も与えられず。
ぶつかった唇。
ひんやりとしてて柔らかい感触。
少し肩を押されただけなのに毛布を持っていたせいか簡単によろけちゃってバランスが取れず、
わたしは尻餅をつくような格好でおしりから転んだ。
「ぃったぁー……もう、西山くんってば何いきなり! 酔ってるんでしょ……」
「今つきあってる男いんの?」
「はぁ?」
「まぁ、いてもあんま関係ねぇや」
えっ、ちょ……っ!?