日付が変わる時刻になっても誰も帰ろうとはしない。


ていうか、電車で来ている人たちはもうお泊り決定かもしれない。


思い出話や近況報告、いろんな話で盛り上がってこれはたぶん、西山くんが解散と言わない限り朝まで続くと思う。

ここ、西山くんお家だし……ご家族はどう思ってるのか。


かなりうるさいと思うんだけど、わたしたち。



「愛華ちゃんと莉乃、寝ちゃったかぁ……」



さっきまで隣で爆笑していた莉乃はわたしの肩にもたれかかって寝てるし、愛華ちゃんはソファのクッションを胸の前でぎゅっと抱えたまま目を閉じてる。



「あぁ……俺、二階から毛布持ってくるよ」


「わっ、西山くん大丈夫なのー?」



立った瞬間ふらついて壁に手をついた彼を見て心配になる。


机の上に転がっている空になった缶に視線を向け、西山くんに視線を戻す。